巳之助さんの喪主挨拶
巳之助さんのご挨拶が素晴らしいので、
歌舞伎美人より転載。
最後に喪主として立った巳之助は、「父は私に、本当は『喜撰』は仁(にん)ではないと思うけれど、うちの大事なものだからやらなければいけないんだよ、と言ったことがございました。そんなふうに思いながらよくぞあそこまで、…心から父を尊敬いたします。父の芸は、誰にでもできるような小さな努力を、誰にも真似できないほど膨大に積み重ねた先にある、一つの究極の形だったのではないかなと思います」と、歌舞伎俳優坂東三津五郎への敬愛の念をしみじみと語りました。
さらに、歌舞伎座柿葺落公演で(平成25年6月)三津五郎さんが『喜撰』を勤めたとき、揚幕で出を待ちながら、「もし死んだら、これを棺桶に入れてくれよ」と弟子に言っていたという話も披露。「弟子が覚えていてくれたおかげで、(喜撰法師の小道具)花錫杖(はなしゃくじょう)と姉さん被りの被り物を、大好きだった城の本とともに棺に入れてやることができました」。
「本日は数々のご無礼があったかと思いますが、父がいなければ何もできなかったわれわれ家族、スタッフが、一切父の手を借りず、一切父の意見を聞かずに初めて勤めた仕事でございましたので、なにとぞご容赦ください」、と巳之助がご挨拶の最後に語った言葉は、失ってしまった父であり師匠である三津五郎さんの大きさを、あらためて感じさせるものでした。
三津五郎さんに最後のお別れをと足を運んだファンの列は、いつまでも途切れることなく、焼香が済んだ頃にはすっかり日も落ちていました。そして、「大和屋!」「十代目!」の声がかかる中、三津五郎さんのご遺骨は葬儀場をあとにしました。
『父の芸は、誰にでもできるような小さな努力を、誰にも真似できないほど膨大に積み重ねた先にある、
一つの究極の形』
三津五郎さんの芸質を短い言葉で核心をついて表わしている。
立派なご挨拶でした。
改めてご冥福をお祈りいたします。

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コメント

團十郎さん亡くなった時のコメントなんか、
貰い泣きしちゃったくらい良かったんですけど。。。
巳之助くんの成長が嬉しいです。
三津五郎さんの冷静でクレバーな血を受け継いでいるようで。
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